地震はいつ・どこで・どれくらいのものが起きるのか?
地震学者にだって、わからない。
この元日、1月1日に能登半島で大きな地震が起きた。
- 1月1日16:06頃に、石川県能登地方でM(マグニチュード)5.7の地震が発生
(これは前震) - 引き続き、16:10頃にM7.6の地震が発生(これが本震)
- どちらの地震でも緊急地震速報が出された。
16:15時点の予測値は、M7.4、深さ10km、最大震度7
その後の気象庁のMの発表が遅い。震源の深さもなかなか発表されない。
その間に、防災科学技術研究所のHi-netの速報値が出た。
※私自身のX(旧Twitter)のメモによれば、16:22頃に確認)
https://www.hinet.bosai.go.jp/
この時点ではM6.9とのこと。 M7前後の地震と思われた。
震源は能登半島先端。ここ3年ほど、群発地震(ある地域に集中的に多数発生するような地震群。本震がどれかもハッキリしない)が起きていて、私自身もここ2年間ほど調査に行っている。
同じページのAQUAシステムは、M7.5だと言ってきた。
※私自身のX(旧Twitter)のメモによれば、16:27頃に確認)
各システムで処理方法が違うとはいえ、デカイ地震だ。なるほど、私の自宅(京都)も揺れるわけだ。正直、うろたえてしまった(京都と能登は300km以上離れている、こんなに揺れるのか?)
気象庁の情報は最終的には以下のようであった。
※X(旧Twitter)のメモによれば、16:43頃に確認。気象庁HPによれば16:24に発表)
前震と本震、2つの地震の揺れが重なり気味であったため、震源の決定に時間がかかったのだろうか?(おそらく) 震源の深さも発表当初は「ごく浅い」だったが、地震発生からずいぶん立ってから深さ16kmとの発表があった(気象庁のプレスリリースをみると21:30頃)。
https://www.jma.go.jp/jma/press/2401/01a/kaisetsu202401011810.pdf
ちなみにMが0.2違うことには、大きな意味がある。
0.2大きくだけで、地震のエネルギーや2倍程度大きくなる。
(Mが1つ大きくなると約32倍)
そうこうするうちに、すぐに津波が観測され始める。輪島では地震発生の16:10からすぐに、潮位が急増。1.2mを超えて振り切れた(たぶん潮位計が津波に飲み込まれた)。富山では輪島と逆に、引き潮で津波が始まった。だからといって、「津波は引き潮から始まる」と考えてはいけない。
輪島の潮位
https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#7/36.289/136.928/&contents=tidelevel
富山の潮位(上ページと同じ)
この段階では、能登半島各所には3mとか5mの津波がもう到達している。またNHKの映像を見る限り、地震発生時に珠洲市内で砂埃があがっていた。建物が倒壊したものと思われる。
その後のNHKでは、珠洲市内からの映像は流れなくなった。停電か、通信途絶か。
阪神・淡路大震災を思わせる(あのときも神戸支局は音信不通であった)。
この強さの地震では道路なども崩れて寸断されている。
余震でさらにがけ崩れなどもある。
大変なことになった。
、、、とここまでが、1月1日の地震発生から1時間くらいの話。その間のメモはX(旧Twitter)にたくさん書いた。読んでくれた人も多かったようだ。
では、地震のときに、いったい何が起きたのだろうか?
次回に続きます。
※注
今回はX(旧Twitter)に地震時に書いたことを、文章としてまとめて残しています。加筆あり。数回に分けて記事にします。ちなみに、今回の地震があったので、2022年夏から休眠していたブログ「海の研究者」をリブートする決断をしました。